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保険業務と資産運用の2つの業務を行うことでビジネスが成立

運用学は保険業法で細かく規定

生命保険会社の業務は、①保険契約を引き受けて契約者から保険料を受け取り、契約内容に応じて保険金を支払う「保険業務」と、②集められた保険料を有効に運輸押して資産を増やし、契約者に支払う保険金や配当などの財源にする「資産運用(金融業務)」に分けられます。

もう少し詳しく見てみましょう。まずは保険業務です。生命保険会社は時代のニーズに合った様々な商品を開発し、加入者を募集します。加入者は保険料を支払い、これが会社の収入、資産となります。

保険事故が起きると、資産のなかから契約者に対して保険金を支払います。しかし、資産の運用次第で保険金に充てる財源が不足するということも考えられます。そうした事態を避けるため、生命保険会社は圧z買った保険料や資産運用で得られた利益のうち一定額を積み立てておくことが保険業法で定められているのです。この積立金は「責任準備金」といいます。

同様のシステムを導入している業界は他にもありますが、金額の規模が一番大きいのは生保業界です。すなわち、保険会社が社会に対して負う責任がそれだけ大きく、市民の生活に及ぼす影響が大きいということにほかなりません。責任準備金がどれだけあるかは、その会社の健全性を比較するうえでの一つの指標にもなります。

次は資産運用(金融業務)です。生命保険会社は、加入者から受け取った保険料の一部を有価証券(株式、公社債、外国証券への投資など)、貸付金、不動産などで資産運用で増やし、将来の保険金や配当金の財源に充てています。保険会社法では、資産運用に関する細かい規定がなされており、例えば国内株式は会社の総資産の30%まで、不動産は20%など上限が決まっています。

最後に生命保険会社の収入と支出がどうなっているのかを見てみましょう。収入で最も大きな割合を占めているのは、保険料などによる収益で全体の約75%、次いで資産運用に収益が約20%となっています。損害保険会社も資産運用による収益がありますが、これほど大きな割合ではありません。収益の中で資産運用が重要な割合を占めているのは、この業界の一つの特長といえます。

一方の支出では、損害保険会社では保険金等の支払金がかなりの割合を占めているのに対し、生命保険会社ではその割合は約50%となっており、それ以外に「責任準備金」や「資産運用費用」、「事業費」などが大きな支出項目となっています。