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アクチュアリーは保険会社の健全性を維持する上で欠かせません

企業の資産運用でも活動

契約者の死亡、病気を対象に保険金を支払う保障制度の実行者である保険会社の事業は、社会的な責任が大きく、その経営の健全性は常に保たれていなければなりません。

そこで重要な役割を担っているのが、保険計理人とも呼ばれている保険数理の専門家「アクチュアリー」です。保険業法では、保険会社がアクチュアリーを置くことを義務付けています。

アクチュアリーの資格を取るためには日本アクチュアリー会が実施する資格試験に合格し、同会の正会員として認定されなければなりません。

内容は「数学」「生保数理」「損保数理」「年金数理」「会計・経済・投資理論」からなる基礎5科目の第一次試験、専門2科目の第二次試験からなっています。そして、その後のプロフェッショナル研修の受講で晴れて正会員となれるのです。現在、12000人以上が正会員として登録されています。

具体的な業務は、まず保険料の適正化があげられます。過去の統計を元に年齢別死亡率などの保険事故発生率を算出し、同時に、経済環境等の推移を精査・勘案し、適正な保険料を設定するのです。

次は責任準備金の確認です。保険会社は将来の保険金の支払に備えて資産の一部を積み立てることが法律で義務付けられていますが、アクチュアリーはその責任準備金が適性値であるかどうかを年度決算ごとに確認します。また現在の積み立て水準が将来的にも十分であるかどうかも、将来の収支分析を行って確認します。3つ目は配当金額の検証です。事業の損益状況を分析し、契約者に支払う配当金額が公正かつ衡平かどうかを調べます。

そして近年、アクチュアリーの役割で重要性が高まっているのが商品開発です。最近の医療を対象とした商品(生前給付型保険・介護保険など)は、仕組みが複雑だ利、保険料の設定等で確率論や統計学などの数理手法を駆使する必要があるためです。

アクチュアリーの活躍の場は、生保・損保などの保険業界に限らず、信託銀行の年金業務や共済業務、企業の資産運用など広がりを見せています。