社医の募集情報:民間企業で診査医として働きたい方へ

生命保険会社では契約希望者の診査を行う医師を募集しています

保険法の改正で業界が一変

近年は臨床以外のフィールドでも医師の経験とスキルが求められるようになってきており、民間企業における募集も増えてきています。

そのひとつが、「日本生命」や「明治安田生命」などの大手の生命保険会社が募集している「社医」というお仕事です。

社医の業務内容は、「保険を引き受ける際のリスク測定(診査)」、「医的リスクの大きさを判断する(引き受け査定)」、「保険金を支払う際の公平性のチェック(支払い査定)」の3つに大別されます。

まず一つめの「診査」を見てみましょう。生命保険会社は保険の加入者が毎月支払う保険料を運用して利益を出していますが、既に重度の疾患を抱えていたり、がんのリスクが高い加入希望者と契約してしまうと、短期間で保険金の支払い義務が発生し、毎月加入者が支払って集めた保険金はすぐに底をついてしまいます。

そこで保険金額が高額な商品では、医師が加入希望者の持病の有無をはじめとする健康状態の「診査」を行います。保険会社によって異なりますが、40歳未満の場合、保険金額が1,500万円以上なら、社医が加入希望者の診察と問診を行うのが一般的です。

診査の内容は聴診器による内診をはじめ、血圧測定、検尿を行い、持病の有無などの問診の4つです。「非喫煙」タイプの保険に加入を希望する方には、唾液を含ませる綿棒のようなものを口に加えてもらって喫煙習慣の有無を確認します。

診査には来社診査と往診の2つのタイプがありますが、全ての加入希望者に来社してもらったり、往診をして診査をすることは難しいため、自社の専門スタッフあるいは社外の嘱託医に健康状態を確認を委ねることもあります。その際、診査の担当者によって査定基準にバラつきがでないように、医学的な教育を行う「審査機関管理」も社医の重要な業務の一つです。

続いて二つ目の「引き受け査定」です。「診査」は社医が自らの目で保険の加入希望者の健康状態をチェックしましたが、「引き受け査定」では、加入希望者が保険会社に提出する「人間ドック(総合検診)の成績表」、「告知書(過去5年以内の入院・手術・一定期間以上の投薬・定期的な通院等の有無を記入)」、「健康管理証明書」などを見て、保険の加入が妥当かどうかのリスク判断を行います。これらの書類の提出により社医の「診査」が省略されることがあっても、この「引き受け査定」は必ず行われます。

最後の「支払い査定」は、保険加入者が亡くなった際に死亡保険金請求用診断書の査定を行い、保険金の支払いの妥当性を評価し、担当部署にアドバイスを行うものです。そのほか、企業によっては社員の健康管理や緊急時の医療相談など「産業医」的な役割を求められることもあります。

社医の適性、やりがい、職場環境、気になる年収は?

保険医学に熱意のある方を歓迎

社医として働く場合、求められる臨床経験は「2~3年以上」としている企業が多く、契約者の疾患を幅広く知る必要があるため、基礎的な医学知識を全般的に備えている方が採用されやすくなります。臨床医時代の専門領域は問われません

社医は営業担当者とともに、保険加入希望者と最初に顔合わせをするため、保険会社にとっては「会社の顔」となる存在です。そのため、礼儀正しい挨拶、清潔な服装、高いコミュニケーション能力は必須です。往診による診査が業務の中心となる企業では、各家庭を訪問する移動時間の方が長いので、フットワークが軽い方が好まれます。

社医の気になる年収ですが、週5日勤務の正社員で1,200万円(業界未経験)~1,400万円(ベテラン)あたりが相場となっています。医療機関で働く医師と比べた場合、年収は決して高いとはいえませんが、「勤務時間が安定(9時~17時)しており、当直やオンコールもない」「完全週休2日制&有給も取得しやすい」「訴訟リスクがほぼゼロ」「育児と仕事の両立がしやすい」など、ワークライフバランスを実現しやすい環境が年収の部分を補って余りあるかと思います。

また、生命保険会社は住宅補助などの福利厚生が手厚いことで知られており、他の業界に比べて全社員に占める女性の割合も高いため、企業内に保育施設を設けるなどの「子育て支援」をはじめとする女性の働きやすい職場環境が整備されているのも特徴です。

以前の社医は、体力的な理由で一線を退いたベテラン医師が占める割合が高かったのですが、近年はプライベートも大切にしたいという若い世代(30代前半~)の医師からも支持されており、社医の年齢層は幅広くなっています。また、妊娠・出産を機に臨床を離れた女性医師の復職先にも適しています。

高齢社会を迎えた日本では、生命保険の加入率が90%近くに達しており、老後の生活や家族の生活を守る保障として、その社会的な重要性は高まるばかりです。各保険会社は時代のニーズに合わせて様々な商品開発を行っていますが、保険金・給付金を適正に支払うために、的確なリスクの把握・管理を行い、公平かつ適正に保険金・給付金を支払うことが生命保険会社の第一の使命であることは変わりありません。社医はその根本の部分を支えているのです。

また、社医の診査で得られた膨大なデータは蓄積と比較を繰り返すことで、長期の生命予後の見通しを立てる「予防医学」の貢献にもつながります。臨床医としての経験と知識を活かして、保険医学の分野にチャレンジしてみたいとお考えの方には非常にやりがいを感じられるお仕事だと思います。

転職サービスを活用してレア案件を見つけましょう

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社医の求人は一般の求人媒体ではなく、医師専門の転職サービスに「非公開求人」として登録されている場合が多くなっています。

これは社医の募集枠が少なく、また人気も高いため、一般の媒体で募集すると応募者が殺到して、書類選考等の企業側の負担が大きくなるためです。

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主要企業の沿革・展望

基礎知識

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社団法人 生命保険協会
業界の健全な発展と信頼性の維持を目的に、生保各社が遵守するガイドラインや指針、営業職員・代理店の教育制度の作成、消費者の窓口相談などの事業を展開しています。